†NOVEL†
ねぇ、行かないで…
待って…もう少しだけ!
もう少しだけ…
ねぇ、行かないで
行かないで!
カミサマ!────
あの人はふらふらと現れる。
連日来るときもあれば、一月も、二月も現れない時もある。
正に神出鬼没。
見た目は少年の姿なのに、言う事は大人。
本当に"時"を止めたみたいな人。
でも、今の私にはたった一人のかけがえのない人…。
この真っ白な闇の中、聴こえるのは時計の奏でる針の音色。
時間を見守る事しか出来ない私に、射し込んできた一筋の光。
「よっ、時を司る魔女さんよ」
彼は神様らしい。何だか信じられない。
でも此処に出入り出来る人間なんている筈ないのだから、彼の言葉を信じるしかない。
いつもへらへらと脱力した笑みを浮かべ、他愛のない話をして何処かに消えてしまう。
「時間を見守り続けるだけなんて…残酷だな」
…いつからだろう。貴方を恋い焦がれるようになったのは───
今までどのくらいの刻を生きてきたのか分からないけれど、こんな気持ちになったのは初めて。
鼓動が跳ねるように心地好く脈を打ち、貴方に逢えない日は独りと言う事をとてもとても寂しく感じる。
いつから私は変わってしまったんだろう…。
次はいつ逢いに来てくれるんだろう。
あいたい、逢いたい、アイタイ───
貴方の体温に触れ温もりを感じたい。優しく私の髪を撫でて貰いたい。他愛のない話をして一緒に笑い合いたい…。
あなたの、笑顔が、見たい
ずっと、一緒に、いたい。
同じ、ときを、過ごしたい。
私は、あなたが、好き。
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つづくつづくつづけ。
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